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ヴルコラカスの息子1/11(乙女系妄想話)

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

浴槽の中、悪魔は彼女を背中から抱きこみ、密着したうなじに
唇を押し当てる。
「ここなら髪に隠れて見えないから。」
梳き分けた髪の間でうなじに当たった唇が、言葉に合わせて動いた。
と、不意に唇を離し、横から顔を覗き込んでくる。
天使のような美貌の悪魔は彼女の肩口に額を落とし、
抑えかねるように笑った。
「『666』?できなくはない、けど。ほんとにそんな印がいいんですか?
ずっと消えないのに?
『向き合った文字が三角形に並んだ配置』って、あの映画は見たけど…。」
別に望んだつもりはなかったが、悪魔の印と聞いて咄嗟に頭に浮かんだのは
それだったのだ。


10日ほど前のこと。
昼下がりのカフェで、彼女は聞きなれない香りを聞いた。
花でも香水でもなさそうだが、うっとりするようないい香りだ。
何の香りだろうと、彼女は見ていた携帯から顔を上げる。
「あの、ここ、いいですか?」
声をかけてきたのは、彼女の勤務先に新しく入って3ヶ月になる
アルバイトの大学院生だった。
同い年だが社員である彼女は彼の指導を担当している。
彼が入った当初は、女子社員が大騒ぎだった。
ルーベンスの描いた祭壇画の、大天使ガブリエル。
そんなどこかの美術展の絵画か彫刻ででも見るような、
白皙の美貌。
カッコイイ、などという軽い単語では不似合いなほどの美形だと評判で、
男性社員の間でもあれが女なら放ってはおかないとか、姉妹がいないかと
ちょとした話のネタになっていた。
同い年だからとその指導役を任された時は皆にさんざん羨まれたし、
彼女自身も悪い気はしなかった。
こんな時間にこんなところで会うのは初めてで、気楽に笑いかけると
彼も少しほっとしたように座る。
その香りについて聞いてみたが、言葉を濁された。
「や、あの、ここって、いつもこんなに混んでるんですか?」
オフィス街に近いこの界隈は、昼頃はどこでもこんなものだろう。
彼は席に来た店員にカフェラテだけを注文した。
すぐに別の店員が、彼女の前から食べ終わった皿を下げ、いちごを飾った
アイスクリームの小さな器を置いていく。
「あの、本当は偶然じゃないんです、ここに来たの。」
突然の申告に何のことかと思うと、彼は少し言いよどんだ後、
意を決したように続けた。
「実は俺、悪魔なんです。
で、あの、俺と契約してもらえないかなって…、や、お願いします、
俺と契約してください!」
彼女はこのつまらないボケにツッコむべきか考えた。
が、彼の深刻な表情はどこか不安な迷子のようでもあり、
つい別の可能性が頭をよぎる。
「あ、違うんです! 実は頭がおかしいとかじゃないです、
あの、何か証拠見せます! か、考えてること当てます」
彼は、ふ、と真顔で目を閉じる。
「『さっさと食べて出たほうがいいかも』、それから…
『怪しげなスカウト』、じゃないです。
『宗教法人』って、いや『壺』も『絵画』も『ハンコ』も売ってません。
『変態』ってそんな…。これでも悪魔の中ではかなり善良な方なのに。
まぁ、そんなに他の奴に会ったことないけど。
まぁ、年齢的に一般的にはロリコン的かもですけど。でもわりと
気は若いっていうか…。」
本当ならデザートを切り上げ急いで席を立つだろうが、
正直に言えば、彼女は目が離せなかったのだ。
その美貌と妙なる香りに強く惹かれて。光に群がる虫のように。
「そんなことないですよ!
『虫』なんて。あの、こんなカ、カワイイ虫いないっていうか…」
しかも彼が発するその声は、昨日までとは違っていた。
催眠効果でもありそうなほどしっとりとつややかで、もっと聞きたく
なってしまう。
「あ、でもそれ俺のことタイプってことですよね!?
じゃ契約してくれますか!?」
彼は身を乗り出し、いきなり彼女の手を両手で握った。
自分で握ったにもかかわらず、彼は驚いたように彼女を見つめる。
ふ、と彼の表情が消えた。そのまま更に身を乗り出し、彼女の
頬に鼻を寄せると、首もとからこめかみ辺りまで、すぅっと嗅ぎ上がった。
「ふ…花に吸い寄せられる、虫は俺のほうだ…。
この匂いも、声も、俺が発情してるせいだから。
ああ…、そう。『契約』っていうのは、よくあるアレ。俺が何でも願い事を
叶えるかわりに、『魂』?それ、どうやって食べるんですか?
いや、俺が欲しいのは身体です。」
いつもの、そしてさっきまでの遠慮がちな口調も態度も一変し、
その露骨な言葉にぎょっとしている彼女の手を、自分のほうへ引き寄せる。
「ふ、『どうするのか』って、だから、ふふ、食べるに決まってる。」
どこか陶然とした表情で言い放ち、掴んだ手首に頬ずりしながら
うっとりと彼女の耳に囁いた。
「…食べたい。この柔らかな肌を舐め、血を啜り、肉を味わい、
爪も髪も残さず、頭から全部…。
きっと蕩けそうに甘くて、うまいと思う…。」
青ざめる彼女に、彼はいっそう声を潜める。
「大丈夫。絶対痛くしないから。めちゃくちゃ気持ちよくして、
ちょっとずつ、大事に大事に食べるから…」
そのまま手首に歯が触れた瞬間、彼女は固まっていた手を振り払った。
顔に当たった手に弾かれて、彼は急に我に返ったように表情を変える。
驚き、戸惑い、苦痛の表情が、次々に浮かんで消えた。
「…すいません。」
浮き上がった腰を下ろし、彼は息をついた。
「もう一個、証拠みせます。
俺の顔とか髪とか体型とか、好みの形に想像してみて。」
そう言われても、何を考えていいのか分からない。
食べる?好みの形?血を啜る?何を言っているんだろう。
「思いつかないですか?じゃ色変更は?目でも髪でも、ネイルでも?」
言いながら彼は店員が運んできたカップに口をつける。
片手の指を開いて彼女に向けた瞬間、その爪と瞳の色が変わった。
彼女の目の前にあるいちごの赤に。そして髪は、練乳をまぶした
アイスクリームの白に。
「時々食べさせてくれるなら、俺は50年でも百年でも、好きなだけ
願いを叶えられる。できないこともあるけど大体は。
悪い取引じゃないと思うんですけど…」
疑ぐりを隠さない彼女の顔に、彼は悲しげに微笑んだ。
「会社に戻ればわかりますよ。もう誰も、俺のこと覚えてない。
最初から、いなかったことになってる。俺の私物が残ってたら、みんな言う。
これ誰の?知らない。落し物コーナーに置いとけば?
このタイムカードは?こんなのどこにあった?去年のバイトの子のかな?」
彼女はようやく席を立った。
「契約してくれるまで、俺ずっとついて行きますよ。」
その言葉を背後に聞き、会計を済ませ店を出ようとした瞬間、
いきなり耳元で聞こえる。
《こんなふうにね。》
不意のことに思わず声が漏れ、その場にしゃがみこみかけた。
慌てて振り返ると、彼は少し寂しげにこちらを見つめている。
会社では、本当に彼の痕跡は何ひとつ残っていなかった。 




つづきます。



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ヴルコラカスの息子2/11(乙女系妄想話)

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

それからの一週間は気の休まる暇もなかった。
一日に何度も、周囲にまといつく香りにびくつき、耳を舐るような
声が聞こえる。
家にいても仕事をしていても、気のせいだと自分に言い聞かせることも
できないほどはっきりと。
なのにその寂しげな声音は、彼女以外は誰も聞こえていないらしい。
《俺は何もしてないですよ。みんな、勝手に忘れてくんです。
まるでそれが自然みたいに。》
会社では同僚が、彼女が使っている新しい香水の種類を尋ねて
きたりもした。
返答に窮する耳に囁く、蠱惑的な声。
《試作品をもらったっていうのは?》
同僚に不審がられないよう、考えるより先に聞いたままを答えてしまう。
《ふふ、あせっちゃって、かわいい…》
直後、頬を撫でる感触に飛び上がるほど驚いた。
半径1mには誰もいない。けれど明らかな感触が、髪を滑っていく。
それからは、たびたび耳や髪、手肌に触れる何かの感触を感じるように
なった。
まず香り、次に声、そして触感。
繰り返されるごとに慣れていく。気味の悪さは変わらないが、それでも
鼓動があおられるほど驚くことはなくなってくる。
そんな異状に慣れたくはなかったが、当然ながら何の解決も見出せないまま
数日が経った。
その日、残業で終電間際になり、帰宅が深夜近くになってしまった。
あれが来ませんようにと強く祈る。
そうしないと、ともすればそれを怯えながらも待ってしまいそうな
自分が怖くなるから。
そうしていつものように駅から自宅への帰路にあるコンビニの前へ
さしかかったとき。
コンビニの駐車場に2台の車と、男が2人で話しているのが横目に見えた。
すると2人の男は示し合わせ、なぜかこちらへ寄ってくる。
歩く速度を速める間もなく、彼女の前を2人が塞いだ。
「今帰りか?」
不穏な空気にガラの悪い口調で男が言う。
瞬間、経験したことのない強い悪寒がした。
本能的に咄嗟に走り出そうとした彼女の手を、2人が同時にそれぞれ
掴んでくる。
悲鳴を上げかけた途端、一人が彼女の口を塞ぎ、間近から恐ろしい声を出す。
「逃げんな。死にたくなけりゃ黙って来い」
片手で口を塞いだまま、反対の手で彼女の両手を背中に束ねて
もう一人に言う。
「縛れ」
パニックになった頭でめちゃくちゃに暴れるが、2人は意にも介さない。
殺される。
髪を掴んで引きずられ後部座席に押し込まれた時、息も止まりそうな恐怖の中、
耳元で声がした。
《契約するって言って!言ってくれないと助けられない!
頼むから!望むだけでいいんだ、声に出さなくても!》
恐怖に黒く塗りつぶされた意識は思考を失い、涙しか出てこない。
《俺のこと待ってくれてただろ!?早く、頼むから願って!
呼んでくれないと、そこに行けない!》
彼女を縛り上げ、男は首筋に顔を寄せてくる。
「いい匂いだな」
その舌が鳥肌の立つ首筋を舐め上げた瞬間、彼女は思った。
助けて。
彼女の背後に重なって、いきなり車内に彼が現れる。
「なん、おま、」
驚愕のあまり言葉もでない男たちの前、彼はガブリエルのような美貌で
微笑み、彼女のこめかみに頬をすり寄せて囁く。
「目を瞑って。いいと言うまで開けないで。」
彼女を抱きこむ片手がそのまま両目をふさぎ、後頭部を彼の肩口へ
押し付けられる。
彼女に見えたのは、覆いかぶさっている男の頭へ伸びる彼の手。
そこまでだった。
そして聞こえたのは、硬い木の棒が折れるような鮮やかな音と、
引き潰された短い声。
後に続いたのは重い物がぶつかる鈍い音と、濡れた洗濯物の山でも
踏みつけたような、聞いたことのない音だった。
耳元に安堵の溜息がかかる。
「よかった、間に合って。」
けれど両目を覆う手は離されず、その手の下から頬に流れ落ちた涙だけを、
彼は猫のようにぺろりと舐め上げた。
そのまま素早く彼女を抱えて車外に連れ出し、歩くよう促す。
「もうここにいちゃだめだ。」
彼女を抱えて支えながら、彼は囁き続けた。
「もう大丈夫だから。かわいそうに、怖かっただろ。」
涙と震えの止まらない背中を優しくさすりながら、止まらないよう
歩かせる。
抱きしめる腕も、髪や頬に降る口づけも、彼女には押し返すことが
できなかった。
その腕以外、いま縋れるものは何もないから。
「安心して。契約に守られれば、もう何も怖くないから。
よしよし、よしよし。 …大丈夫、もう大丈夫。
もう目、開けていいですよ。」 



つづきます。



            
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ヴルコラカスの息子3/11(乙女系妄想話)

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

その夜、悪魔は彼女の部屋で、静かに彼女を抱きしめつづけた。
大丈夫だと優しく何度も囁いて、震える背中や頭を撫でる。
明け方近くになってようやく少し落ち着くと、別のことが気になりはじめた。
彼は2人を殺したのだろうか。
「殺してない、です。手とか足、折って、しばらく動けないように
しただけ、だから。」
あの音は骨が折れた音?本当だろうか?
ならその後で聞こえた聞いたことのない音は?
いや、それが嘘だと彼女は知っている。
けれど見たわけではないから、都合の良い嘘を本当だと信じることで、
なかったことにしてしまいたかったのだ。
「あの、そろそろ着替えて寝たほうがいい、んじゃないかな。
泣き顔もカ、ワイイ、けど、よく見たらあちこち汚れてるし。
ほら、ここにさっきの奴の髪の毛が。」
服の胸元に伸びた指がつまんだ1本の毛髪。
彼女の全身がぶるりと震えた。
熱い風呂に入って寝てしまいたい。けれどどうしても、
ひとりになるのが無性に怖い。
「あ、もちろん。望んでくれるなら、ずっといます。でも、
その場合1コだけ、申し訳ないんだけど…。」
そうして彼女は望んだ。
警察が彼女を探していないことがわかるまで、家にいてほしいと。
「ありがとう。じゃ、代わりに」
それに対する報酬は、契約の印を身体につけることだと彼は言った。



「じゃ、ほんとに『666』にしますよ?」
会社でもないのに敬語はいらないと言うと、彼は少し、はにかんで笑う。
「う、うん。」
湯気に満たされた浴室で、ひときわ強く悪魔はうなじに口づけた。
ちりっとした痛みが走り、思わず彼女は背中を丸める。
前にのめる首を追いかけた唇は、角度を変え何度も同じ場所を
吸い上げては舐り、ゆるく噛んで、また強く吸う。
そのうち何だかうなじが熱くなったように感じた。
気のせいかと思ったがそうではなく、次第に血が集まるように
強い脈動と熱を感じる。
脈打つごとに増す熱が、火傷しそうに強くなる。
熱い。
反射的に離れようとする身体は、巻きついた腕に阻まれた。
「もう少し、我慢して…」
動けないよう締め付けられ、延々と繰り返されるキスの熱さに
泣きそうになる。
入浴剤に白濁した湯の中から伸ばした手で、浴槽の縁を握り締めた。
吸い込む湯気が、さらに体温を上げる。
心拍数が上がり、額に汗が浮かぶ。
悲鳴に似た高い音が喉から漏れた時、ようやく悪魔が唇を離した。
「うん、きれいにできた。ちゃんと666になってる。
ごめん痛かった?…よしよし。」
彼女の眦に浮かんだ涙を、悪魔はそっと舌で辿った。
「んーん、涙って、感情通りの味がする。
あの時は熱くて苦くて単純で、刺激的な恐怖の味だった。
今は同じ熱さでも、刺すような苦味じゃなくて、何かこう色っぽーい
ほろ苦さと複雑な甘い恐怖がある感じ。
もしかして…我慢するのも、気持ちよかった?」
耳元に囁く声と同時に反対の耳に指先を差し込まれ、反射的にびくりと
身じろぎ水面が波立つ。
印はできたのに、巻きついた腕が離れない。
「だって、そう望んでた。」
その腕が、更に強く抱きすくめてくる。
「嬉しいんだ。初めてだから、契約したのに俺の外見が全然
変わらないのって。
それって元通りの俺でいいってことだから。」
驚いて振り返ると、悪魔は甘く耳朶を食んだ。
「『ヴァンパイアみたい』って、涙の味のこと?」
頬や肩口、首にも髪にも、柔らかいキスが浴びせられる。
「まぁ、確かにいろんな名前で呼ばれるけど。
悪魔よりそっちのほうが好きかも。でも吸血鬼っていうと、なんか
チスイオニって感じでまた違うよな。
う、自分で言っても生々しいな、チスイオニ。」
何だか新種の動物の名前のようだ。
のぼせてきたのか、ぼやけた頭でそんなことを思うと、ざわざわと体中に
まとわりついていた得体の知れない不安感が薄れてくる。
「そう?ふふ、嬉しいな。」
言うと同時に、悪魔は肩に歯を立てた。
いきなりのことに暴れるが、頭と、腰を腕ごと抱えて固定され、
動かせるのは足ぐらいだ。
白濁した湯の中に、二の腕を伝った血が一滴、ピンク色ににじんで消えた。
「いい子だから、じっとして…」
傷口を執拗に弄る舌に、段々と痛みが痺れに変わって麻痺してくる。
身体のあちこちをさする手が、正反対に優しい。
背中や腰、二の腕や脚をゆったりと撫でられ、
抱え込まれた腕に乳首が擦れる。
痛みと痺れの混じった快楽は、複雑な、危うい甘さに満ちていた。
「ふふ、気持ちいい?血の味が変わってきた。
自分じゃ分からないと思うけど、花の蜜みたいな薄い甘さがあって、
けどエイヨウソ!って感じもする。」
状況にそぐわない健全な表現に、少し笑ってしまう。
「や、ほんとにそうだし。
血って血糖値が上がってる時はちゃんと甘いし、
汗かいたりして水分減ってる時はがっつり塩味だし。
今は、やっぱりまだ安定はしてないけど、その不安定さがまた…
期間限定コクとうまみの贅沢ミックス?」
言いながら、ほんの少し肩に滲んだ血を舐め上げる。
「はぁ…おいしい…。
…もっと気持ちよくしたら、もっとおいしくなってくれる?」
内腿をなぞる手に、意図せず膝頭に力がこもる。
「ん、ごめん、つい。1コだけって言ったんだった。
いいよぅ。期待するのも楽しいし。
おいしい俺のお嬢さん、その身体を味わうのが、ほんとに待ち遠しい。」


  
周囲の明るさを感じ、ぼんやりと目を開く。
と、あまりに至近距離にあった横顔に驚き、思わず声が漏れた。
「んぅ、う」
うるさそうに身じろいだ彼の目が、薄く開いてまた閉じる。
「もうちょっと…寝る。ゆうべ、遅かったし…」
そのままごそごそと寝返りし、彼女の身体に腕を乗せ、
片脚を絡めてくる。
覚えのない状況に固まっていると、もう一度うっすらと目を開けた唇が
額に押し付けられた。
「…おんなじにおい…」
その後は呼んでも揺すっても彼は起きず、乗せられた左半身は
微動だにしない。
あきらめて息をつきじっとしていると、伝わる体温が心地よい。
穏やかな重みに力を抜いて、彼女も再び眠りに落ちた。




つづきます。


 
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プロフィール

シカピ

Author:シカピ
数年前、とある美声にひと耳惚れし、
そのまま声フェチに、そして
ヤンデレに行き着きました。
同じ道を通った人、いますか?

真冬以外は年中花粉症です。

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